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糖尿病の過程と症状

糖尿病は、軽いうちはほとんど症状がありません。尿糖排泄閾値(にょうとうはいせついきち)を超える高血糖が持続すると「尿が多く出る」「のどが渇く」「水・お茶・ジュースなどの水分を多く飲みたくなる」「だるい」「痩せてくる」などの症状が出てきます。さらに進行すると、糖質代謝だけでなく、たんぱく質や脂肪、水やミネラルの代謝にも異常をきたしてきます。

インスリン不足で糖質の利用ができなくなると、エネルギー源として脂肪が使われるようになります。脂肪が代謝されると、副産物として血中にケトン体というものがたまってきます。これが血液を酸性に傾け(この状態をケトアシドーシスという)、強い全身のだるさ、脱力感、吐き気などの症状が出てきます。

病気がさらに続くと、意識がなくなる糖尿病性昏睡におちいり、死亡する場合もあります。

血糖のコントロールが悪いまま10年ほど経つと、たいていの場合、毛細血管や細小血管という細かい血管に糖尿病特有の変化が現れてきます。目にくるのが、糖尿病性網膜症、腎臓にくるのが糖尿病性腎症、そして神経栄養血管がおかされると、糖尿病性神経障害がおこってきます。

また、加齢現象としてもおこってくる、太い大血管の動脈硬化が、糖尿病のコントロールが悪いと、年齢より早く出現・進行してきて、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢の壊疽などの原因となります。白内障のような、加齢によって起こってくるものも糖尿病では早期に現れてきます。

感染症に対する抵抗力も低下し、腎盂炎や膀胱炎などの尿路感染症、気管支炎や肺炎、肺結核などの呼吸器感染症、みずむしのような、真菌感染症などもおこりやすくなります。

今日では、医学の進歩により、糖尿病そのもので死亡することはほとんどなくなった、といってもよいほどですが、視力障害、病毒症、心筋梗塞、脳卒中、神経障害などの合併症による死亡や障害を考えると、糖尿病による健康障害はけっして少ないものではありません。

しかしながら、ありがたいことに、早期発見で、適切な治療(食事・運動・薬物)によるようこうな血糖コントロール状態を維持すればこれらの合併症が予防され、健康な人と同じような生活を送ることができるのです。

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