口渇(口の渇き)、多飲、多尿などの症状があっても、糖尿病だとは断定できません。高カルシウム血症のときも、また、単なる心因性のときにも、同じ症状が見られます。
●尿糖検査
試験紙に尿をつけるだけで尿等の有無が多少わかり、しかも採血のような痛みやわずらわしさがなく、自分でできるため、便利な検査法です。
ふつうでは、尿糖排泄閾値以下の血糖値のときには、尿中にぶどう糖は下りてきません。そのため、空腹時などでは、軽症糖尿病があっても見逃されてしまいます。なるべく食後2時間くらいの尿で検査するのが良いでしょう。
逆に、尿等が陽性でも、必ずしも糖尿病とはかぎりません。腎性糖尿病や甲状腺機能亢進症、胃切除後などでも見られるからです。
●血糖検査
糖尿病の診断をつけるのには、血糖検査が不可欠です。糖尿病の症状があって、朝食前の空腹時血糖が1デシリットルあたり126ミリグラム以上あったり、食後あるいは任意の時間で200ミリグラム以上あれば、糖尿病と診断します。
●ぶどう糖負荷試験
もっとも確実な検査法といえます。朝食抜きで、午前中に、75グラムのぶどう糖を溶かした水を飲み、その直前、および2時間後に採血し、ぶどう糖濃度を調べます。
判定は、下表に示した日本糖尿病学会の基準に従います。
血中インスリン濃度も測定すると、インスリン分泌の程度もわかります。
●グリコヘモグロビン
一回の採血で、過去1~2ヶ月間の血糖値の平均値のような値がわかるため、たいへん便利で有用な検査です。
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