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治療
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糖尿病性腎症の治療でもっとも大事なことは、早期腎症の時期までに発見し、適切な治療を行って、顕性腎症以降の病期に進ませないようにすることです。
そのためには、とにかく厳格な血糖値のコントロールをすることが重要です。血糖のコントロールは、低カロリー食、運動療法が基本ですが、糖尿病薬の服用、およびインスリンの注射も行われます。
顕性腎症の前期も、やはり厳格な血糖のコントロールが必要です。以前は顕性腎症後期までは、食事でとるたんぱく質を制限する必要はないといわれていましたが、最近では、前期から、ある程度たんぱく質を制限することが良いと考えられています。
後期になると、厳密な低たんぱく食にする必要があります。
腎不全期には、やはり食事療法として、たんぱく質の摂取の制限を行いますが、血液中のクレアチニン(糸球体の濾過能力の目安になる物質)の量の増え方によっては、透析療法の準備をします。
糖尿病性腎症には高血圧がともなうことが多いので、降圧薬の使用も重要です。降圧薬のうち、アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、糸球体内の圧力を減らす作用もある有効な薬です。
→糖尿病性腎症 →原因
→検査と診断 →治療
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