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治療
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治療はインスリン療法が中心になりますが、食事や運動の注意を守ることも大切です。
インスリン療法 薬物療法
食事 運動 低血糖への対応
●インスリン療法
生命を維持するためにインスリンの使用を欠かすことが出来ません。
健康な人は、食事をして血糖値が上昇してくると、血糖値を低下させるインスリンが分泌されてきます。
インスリン依存型糖尿病は、このインスリンが分泌されてこないので、健康な人のインスリン分泌状態に近づけるようにインスリンを補い、それに合わせて食事をとります。
インスリンは、注射で補うのが一般的な方法で、年齢や生活習慣に合わせて、1日に2~4回皮下に注射します。
病気、ストレスなど、食事以外のことでも血糖値は上昇し、運動をすると下がる傾向があります。また、病気の際にはインスリンの効きが悪くなるので、食事をしなくても、血糖値にあわせたインスリン注射が必要です。
成長につれ、子どもに自立心が目芽ばえ、8歳くらいになると、自分で注射ができるようになります(自己注射)。
注射するインスリンは、遺伝子工学の技術を応用してつくられ、アレルギーの原因となる不純物を取り除いた合成ヒトインスリンです。
インスリン製剤には、注射してから、効果が現れるまでの時間・効き目のピーク・効果の持続時間などが異なる速攻型、中間型、持続型の3種類があるので、特徴をいかして使い分けます。
インスリン専用の注射器と針には、必要な量が正確に注射でき、痛みを少なくするくふうが施されています。携帯に便利なペン型の注射器もあります。
インスリン注射を開始してしばらくすると、分泌されるインスリンの量が増え、注射の量を少なくできる「ハネムーン期」が訪れますが、やがてほとんどの膵臓のβ細胞が消滅し、注射量を増やさなくてはならなくなります。
それでも、インスリンを上手に使い、健康管理に注意していれば治ったのと同じ状態を保つことができます。
そのためには、自分が使っているインスリンの特徴と正しい注射の仕方を本人が学び、自分で血糖をはかり(自己血糖測定)、その変動のパターンに合わせた注射量の加減を理解することが必要です。
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●その他の薬物療法
治療はインスリン療法が原則で、経口血糖降下薬やインスリン抵抗性改善薬などは使用しても効果がありません。
ところが、食事前にインスリンを注射しても、食事直後の血糖値が高くなりやすい人もいます。この場合は、小腸での糖質消化を遅らせ、ぶどう糖の吸収を緩やかにするαグルコシデース阻害剤という薬を併用することもあります。
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●食事
インスリン依存型糖尿病の子どもも毎日、成長しているので、必要十分な栄養を摂ることが必要です。
エネルギー摂取量は、年齢と体格相応の所要量に加え、日常の活動にあわせた量とします。標準的な体格なら、同年齢の健康な子どもとほぼ等しいエネルギー摂取量と栄養配分にします。
食事は制限食ではなく、給食もふつうに食べるのを原則としますし、糖質摂取を過剰に制限するのも不要です。
ただし、たくさん食べて、インスリン量を増やすと肥満しますから、《肥満度》や身長の伸びなどをみて、摂取エネルギーを適切に保ちます。
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●運動
適度な運動は、心身の発育に欠かせませんし、血糖値を下げ、血糖値のコントロールにも役立ちます。
しかし、運動にはエネルギーの消費がともないますから、インスリンを使用している子どもが不用意に運動を行うと低血糖をまねく危険があります。
体育の授業やクラブ活動などで本格的な運動を始めるときは、運動の前、途中、後で血糖値を測定し、運動や血糖値のコントロールのやり方を調整する必要があります。血糖値や運動の程度に応じて、《補食》をとって、低血糖症の発症を予防します。
高血糖の程度がひどいときや、血中にケトン体が増えるケトン血症の強いときに運動すると、逆に血糖が上昇することがあります。この場合は、運動事態を中止する必要があります。
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●低血糖への対策
インスリン依存型糖尿病の子どもの血糖値は変動しやすく、生活パターンの変化や運動などの影響を容易に受けます。血糖値が正常範囲に近づくにつれ、値が下がりすぎて低血糖をおこすことがあります。
低血糖の症状が1つでもみられたら、砂糖、ぶどう糖、しょ糖の入った飲み物やビスケットを摂取します(補食)。
意識がはっきりせず、口から摂取できない場合は、グルカゴンという血糖値を上昇させるホルモンを注射します。
低血糖に対する備えについて、主治医によく相談しておくことが必要です。 低血糖がおこらないようにしようとすると、血糖値は絶えず高くなり、長い間には合併症をまねきます。低血糖発作や高血糖症状の有無をみる短期間のコントロールと、糖尿病の合併症に対する長期的なコントロールの療法をよくするように心がけましょう。
インスリン注射や血糖の自己測定は、当人や家族にとって、精神的・心理的負担になりがちです。運動の前後にとる捕食も、周囲から特別な行為と見られがちで、精神的負担になることが少なくありません。
良好な血糖コントロール療法を続け、合併症を予防するには、学校などの関係者からも、正しい理解と協力を得ることが大切です。
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